離婚時の税金/通常は贈与税はかかりません! でも、こんなときは注意!

相談内容

離婚で財産分けをしたら、贈与税がかかりますか?

提案&解決

通常は、贈与税はかかりません。でも、こんなときは注意!

離婚によって財産を分けた場合、一般的には贈与税はかかりません(相基通9-8)。

  ↓

夫婦の協力によってためたお金を分けるのであって、
「あげるね」「もらうね」 という贈与には当たらないから

  ↓ 難しい言葉でいうと・・・

夫婦の財産関係の清算、生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものだから

  ↓ もちろん・・・

子供の養育費をもらっても贈与税がかかることは基本的にはありません!

  ↓ ただし・・・

次の場合には、贈与税や所得税がかかる可能性がありますのでご注意ください!
(所基通33-1の4)

① あまりにも渡す財産が多い場合
→ 多すぎる部分に対し、もらった側に贈与税がかかる可能性があります。

② 相続税や贈与税を免れるために、形式離婚する場合
→ もらった側に贈与税がかかる可能性があります。

③ 土地、建物を渡す場合
→ 渡した側に譲渡所得税がかかる可能性があります。

 

  ↓ つまり・・・

離婚によって、社会通念上、問題ない程度のお金を渡すのであれば税金がかかることはありません
土地、建物を渡すと税金(所得税)がかかる可能性がありますので、注意が必要です!

 

ケーススタディ

①500万円のお金を渡した場合

「取得」した時も、「渡した」時も、500万円という金額に変化はありませんので、
差額(もうけ)がありません。

→ したがって、所得税がかかりません。

 

②マイホーム(先祖代々相続した土地の上に、自宅建物を建築)を渡した場合

「取得」した時の取得費(取得費は通常不明なので概算取得費) < 「渡した」時の時価
の場合には、差額(もうけ)が生じます。

→ その差額に対して、所得税(譲渡所得)がかかります。

 

解決策

②の課税を回避(緩和)できるでしょうか???

「居住用財産の3,000万円特別控除」を適用してください!

他の方法も2つほど考えられますが、代表的な方法をご紹介します。

◆離婚成立後に、自宅を渡す!

この特例は、他人(第三者)」にマイホームを売却することを前提に許される特例です。
夫婦でいる場合には、他人ではなく配偶者ですので、特例の適用が受けられません。

  ↓ したがって・・・

他人になった後(つまり、離婚が成立した後)に渡すことで特例適用の余地が生まれます。

 

●適用にあたっての留意点

適用に際しては、その他の要件もありますので、
要件を満たすマイホームかを慎重に判断してください。

  ↓ また・・・

この特例は、あくまで「マイホーム」を売却することを前提とした特例ですので、
マイホーム以外を渡す場合には適用されませんので、併せてご注意ください。